現場へ! あんこを守れⅡ③
「和」のつく文化は、可能性を秘めている。あんこの味わいに、光を見つける次世代が育っている。
開校して70年の東京製菓学校(新宿区)には、2年制の和菓子科がある。在学中に500種超のレシピを学ぶ。
「あんを作る授業を見学したい」とお願いすると、1年生が試験を前に、こしあんをおさらいするという。
水から小豆がやわらかくなるまで炊いて、皮をこし器で除き、水でさらし、かたくしぼって砂糖と練りあげる。
工程を見たことのある人が、どれくらいいるだろう。反対に、洋菓子作りが身近な存在なのに気づく。
この和菓子科、かつては全国から和菓子店の後継者が集まっていた。徐々に減って今年の1年生20人にはいない。「全体で女性が半数まで増えました。自分の腕やセンスを磨ける就職先を探し、将来の独立志向も強い」と、梶山浩司校長はいう。
「留学生を含めて、和菓子が好きでたまらないという学生が多い。道は長いので、同じ志を持って仕事のことが何でも相談できる友だちを作ってほしいと話します」
学生たちに、入学動機を聞いてみた。
「小麦や卵への食物アレルギ…